家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 最後につけたのは、四月だった。

 四月の終わりごろだ。

 そのしばらくあとに起こったことも、併せて思い出せば……。

 明莉は閃くように、ある可能性に行きついた。

 もしこれが本当なら、ここしばらくの体調不良にも納得がいく。

(いや、でもまだわからないから……。そう、とりあえずはっきりさせないと)

 動揺しそうになったが、自分に言い聞かせた。

 まだ不確かなのに、戸惑うのは早すぎる。

(帰りにアレを買ってみようか……きっと早いほうがいいよ)

 病院に行こうかとも思ったが、まずは可能性だけでも知ったほうがいい。

 戸惑いとドキドキする気持ちはあったけれど、明莉の中にはそれだけだった。

 だって思い当たる相手は巳影しかいないのだし、彼とはもう籍を入れて一ヵ月になる。

 早いといえば早いけれど、もし本当にそうだとしても、今の状況ではなにも困ることはない。

 だから……。

(本当だったら……良いこと、だよね?)