家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

(side 明莉)


 真夏の暑さが続く中で、明莉はどこかもやもやする体を抱えていた。

 どことなく体調がすっきりしないのだ。

 あまり食欲が湧いてこないし、大好きなスイーツも積極的に食べたいと思えない。

 こんなことは初めてだった。

 それでも熱があるわけでもなく、風邪を引いたり、お腹を壊したりという、明確な不調は出ていない。

 巳影には「夏バテかな?」と話したし、実際自分でもそうだとしか思えなかったのだけど……。



(アプリ、入れちゃった。割と使いやすそうだし、今度、ミカくんにも『使わない?』って勧めてみようかな)

 ある日の午前中、母をリハビリに送っていき、病院で待つ間。

 明莉はスマホを見て微笑を浮かべていた。

 今日は送り迎えをするために、カットソーとワイドパンツという、身軽なスタイルだ。

 結婚式に向けて準備をするのにあたって、アプリで情報や進捗を管理するのが良いと、ネットで知った。

 それでいくつかのアプリを見比べて、とりあえずひとつ入れてみた。