家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「……では、本日のミーティングはここまで。お疲れ様」

 白い内装の会議室で、巳影が告げた締めの挨拶に、席に着いていた社員たちが一斉に立ち上がった。

「お疲れ様です!」

 暑い中ではあるが、冷房が効いているので、巳影も部下も、きちんとスーツのジャケットまで着た姿だ。

「ありがとうございました」

「ありがとうございました!」

 部下たちは口々に言い、それぞれノートやタブレット端末といった私物をまとめ始めた。

「社長、お疲れ様です」

 ホワイトボード近くに席を取っていた巳影に声をかけてきたのは、秘書の高城だ。

 今日もまとめ髪に、黒のスーツという姿である。

「ああ。ありがとう」

 彼女のほうを見て、巳影はお礼を述べる。

 テーブルの上のものを片付けるために、一旦、椅子に腰掛けた。

「会議中にメッセージを受信していたようです。辰巳相談役からです」

 テーブルの上のノートや筆記用具を片付ける巳影に対して、高城が淡々と報告する。

 巳影は傍らに置いていたタブレット端末に視線をやり、頷いた。

「ん、そうなのか。見るよ」