家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 巳影の提案に、明莉は安心したようだった。

 そんな空気が伝わってくる。

「ありがとう。ごめんね、誘ってくれたのに」

 申し訳なさそうに言われるけれど、巳影はもちろん否定した。

「いいんだ。明莉の体調のほうが大事だからな」

 その言葉に、明莉はもっと安心したようだ。

「ミカくんは優しいね」

 落ち着いた声で、そう返してくれた。

 二人はその後、家へ帰った。

 涼しい室内で過ごせば明莉の様子は別段、変わったように見えなくて、巳影は安心した。

 暑い中だし、女性はバイオリズムの影響もあり、体調を崩しやすい。

(できる限り気にかけて、守ってやりたい)

 私服に着替えたあと、キッチンで熱い紅茶を淹れながら、巳影は決意した。

 明莉を世界一幸せにすると誓ったのだ。

 彼女の体を大切にするのも、そのひとつである。