――大丈夫。 淡々と、短く。 感情を見せるな。 一礼する。 そして、口を開いた。 『本日は、私立白鷺学園の入学式という舞台で、新入生を代表して挨拶できることを、大変光栄に思います』 自分の声が少し低いことを確認する。 作った声。作った話し方。作った自分。 『この学園で学べることを誇りに思い、日々努力を重ねていきます』 体育館の空気が静かに流れる。 誰もが私を見ている。特待生。首席。 その言葉の裏側にある事情なんて、誰も知らない。