男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

『続いて、新入生代表挨拶。

特待生、月城凪』


名前を呼ばれた瞬間、体育館中の視線が一斉に私へ集まった。

胸の奥がきゅっと縮む。


“凪”は私の偽りの名前だ。

本当は、違う。



けれど、

この学園で私は、“男”として生きる。



私は大きめの黒縁眼鏡を押し上げ、壇上へ歩いた。

視線が痛い。

静かな体育館に、自分の足音が響くたび、逃げ出したくなる。



マイクの前に立つ。

台本は暗記している。


背筋を伸ばし、前を見た。