普通じゃ満たされない夜

「ミオ、最近変わったよね」

タクヤの声は、優しかった。

「俺、将来ちゃんと考えてるよ」

その言葉に、私は息が詰まる。

正しい未来。

ちゃんとした幸せ。

でも。

その中の私は、笑っていなかった。

その夜、私はみつりに会いに行った。

「選べない」

そう言うと、彼は静かに言う。

「無理に選ばなくていい」

「でも……」

「大事なのは、誰を選ぶかじゃない。
 君が自分を裏切らないこと」

その言葉が、真っ直ぐ刺さった。