ゆきがいつもいるのはオレと裕基が雪遊びした公園。 こじんまりしてて、子供も遊びにこない。 公園というより空き地といった方がいいのかもしれない。 っつかゆきいねぇんだけど。 いつもならいんのに。 ……そういやオレ、あいつのこと何も知んねぇじゃん。 アドレスも、家も。 苗字も、名前しか、知らねぇ… 何も知らねぇんだ……。 なんだこの脱力感。 何も知らなくて好きっておかしくね? 普通もっと相手を知ってから…… 「隼人くん?」 ふとオレを呼ぶ声がした。 勢いよく振り返るとゆきがいた。