「羽奈のこともっといっぱい知りたいし、俺のことも知ってほしいんだ。でも俺のこと捨てるんだろ? どうして?」
率直に聞かれて、高校卒業後の事を話した。習い事漬けの毎日の理由も。
碧葉家のルールで、古いものを持ち込んじゃいけないことも。
この話はとっくに話してあったのに、初めて聞いたみたいにリオ君はぽかんと口を開けた。
「前に話したこと何も覚えてないの?」
「ぬいぐるみだから記憶力悪くて。じゃあ俺と別れるのが嫌で泣いてたんだ?」
「だってリオ君は家族で友達で宝物だもの」
「だったらそんなルール守る必要ないのに」
決して口にしてはいけない言葉をなんのためらいもなく言い放たれて唖然としてしまった。
「何代にも続く碧葉家のしきたりだから私一人の意見じゃどうにもならないよ、仕方ないの」
「そうだとしても俺の前ではほんとの気持ち吐き出してよ。泣いたって喚いたっていいんだよ?」
今までは静かに寄り添ってくれるだけだったのに、私の気持ちに気づいてたんだ。
ずっと言えなかった本音を代弁してくれたことがすごく嬉しかった。



