カーテンの裾から差し込む光に頬を照らされ目が覚めた。小鳥が鳴いていて、外は快晴みたいだ。
神様からのご褒美みたいな夢のお陰で頭もすっきり。もうすっかり元気になったから今日も1日頑張れそう。
うーんとのびをした。
しかもあれが現実だったみたいに髪がさらさら。
「おはよう。リオ君が夢に出てきてくれたからすごく気持ちよく眠れたよ」
「俺は眠れなかった」
ほっぺに顔を寄せてぎゅっと抱きしめたら。
ん? あれ?
今、聞き覚えのある声がした?
はっとしてリオ君の顔を覗き込んだ。
「今おしゃべりしたよね?」
「やべ……うっかり」
ということはまだ夢の中?
それにしては何もかもがリアルすぎる。
いったい何が起こっているんだろう。お父さんがサプライズで新しい機能を付け加えた?
そんなの絶対いやなのに。
頭のてっぺんから爪先までリオ君をぐるりとチェックした。
肩のほころび、タグのスレ具合。
すべてが記憶と一致した。これは間違いなく私のリオ君だ。よかった……。
「そのままのリオ君でいていいんだからね!」
自分の情緒不安定が原因できっとこんなことになったんだ。
「……とりあえず1個いい? しゃべってる俺のことが怖くないの?」
だいぶ間があって、そんな返事が返ってきた。
リオ君の声をよくよく聞いてみると、想像していた幼い声とは違って同年代くらいの男の子の声だった。
ゆっくりと、確かめるような話し方。
怯えさせないよう、慎重に選んでくれた言葉だと思う。
「怖いわけないよ。想像してたより大人っぽいから驚いただけ。でも考えてみたら私と一緒に育ったんだもんね」
とは言っても17歳にはどうしても見えないや。
「だったら子供扱いしないでくれる? ふわふわの部屋着もなんていうか、できれば俺の前ではジャージとかの方が……」
「うそ、ほっぺた赤くなるんだ? かわいい!」
会話ができるなんて、超常現象とかどっきりとか、そういうのを疑ったほうがいい?
でも今はそんなことどうでもいい。混乱や恐怖より、ワクワクが勝ってる。
「お別れしなきゃいけないのにいつまでも駄々をこねてるからこんなふうになったんでしょう? でも理由がなんでも話ができてすごく嬉しい!」
落ち着かなくちゃとベッドの上で深呼吸をした。
「じゃあこれが現実だってまずは受け入れてくれる?」
「もちろん」
リオ君を両手で掴んでその透き通った目を覗きこむと、彼は照れたように咳払いをした。



