王子様は好きって伝えたい


何故そんなことを言うんだ?

私があの取り巻きの1人?


「…行かないです」


正確には、行けないです、だ。

あの可愛らしい女の子集団に紛れられるわけない。


「それかさ」


1拍置いて言った。


「俺と同じステージ立てばいいんじゃない?」

「へ?」

「架乃ちゃんだってアイドルになれるでしょ。そんな可愛い顔して、なんで自信ないのか分からない」

「なれないです」


嫌われ者だから。


というか待て?可愛い顔って言われた?

ほんとこの王子様は、さらりと。


「私は平穏な生活でいいんです。目黒先輩みたいに目立てなくていい」

「そんな目立つかな、俺」

「自覚ないんですね」

「やけに周りに女の子いるなー、とは思うけど」


そこだよそこー!


2人とも給食を食べ終わり、トレイと皿を片付けた。

私はそそくさと教室に戻ろうとした。


「架乃ちゃん」


後ろから声をかけられた。


「今日、一緒に帰れるかな」

「10人くらいの大所帯でですか?」

「まさか!2人でだよ」

「…いいですけど」

「よし!昇降口で待ってて!」

「はい」


私は軽く返して、教室へ向かった。