王子様は好きって伝えたい


その日の昼。

涼しい食堂で、唐揚げ定食を食べていた。

1人行動も慣れたもの。

あまり食堂で給食を食べる子はいないから、自分のお気に入りの席に座れる。

お弁当の子も食堂は利用できるけど、教室で食べてる生徒が多い。

うちは親が共働きで、お弁当の用意が難しいから、給食にしている。


やっぱ唐揚げ美味しー!

完全に気を抜いていた。

それがいけなかった。


「美味しそうに食べるね」


箸を落としそうになった。

テーブルを挟んで現れたのは、目黒先輩。

喉の奥がきゅっとなる。


「隣、いい?」


私は首を横に振った。


「おっけー、いいんだねー」


縦に振ったと思われたの?!

何が…起きてる?

ぐるっと回ってこちらにやってきた。

至近距離。

今までで1番近い距離。

緊張で箸が止まる。


「いや、普通に食べてよ。美味しそうに沢山食べる子、俺好きだよ」


そんなこと言われても…。

とりあえず箸を進めた。


「架乃ちゃん、だよね?」

「え…」


名前を認知されている…何で?!


「違ったらごめん!」

「…いや、合ってます」

「良かった焦ったー!」