翌日。
目黒先輩は普通に学校に来ていた。
傘を返したかった。
でも先輩の周りには、可愛らしい女の子が沢山いて、話しかけることはできない。
私なんかが突撃したら、白い目で見られるに決まってる。
私は皆から嫌われているから。
中学生くらいから、遠巻きに女子から見られて距離を置かれていた。
男子も何故か近寄って来なかった。
だとしたら何で目黒先輩は、自分がびしょ濡れになることを厭わずに、私に傘を貸してくれたんだろう?
目を伏せていると、
「あっ!」
と、目黒先輩の声が聞こえる。
たたたっと近寄ってきた。
「傘、返しに来てくれたの?」
さっきまで周りにいた女の子達の目が怖い気がした。
少し怯えてしまい、1歩下がってしまった。
「あーごめん、勢い良すぎたかな?」
先輩は首を傾げてどこか寂しげにニコリとした。
私は傘を差し出して、
「ありがとうございました!」
と伝え、傘を手渡して小走りで教室へ戻った。
最適解だよね、そうだよね。
これが1番、あの取り巻きの女の子達を刺激しないよね。
あー怖かった。
でも、目黒先輩と言葉を交わせた…?



