天使と悪魔の恋煩い

あるむらに、ひとりの悪魔がおりました。

悪魔は、ある夫婦のもとにうまれました。

さいしょはみな、ただの赤子だと思っていたのです。

しかし、その赤子の目がひらいたそのとき、みなが異変に気がつきました。


その赤子のひとみは、禍々しい赤色をしていたのです。


赤子をかわいがり、生まれたことをよろこんだ乳母も、近所のひとびとも、

赤子の実の親である夫婦でさえも、

赤子を気味悪く思いました。

“大丈夫だよ。ひとみが赤いだけではないか。そんなに怖がったらかわいそうだよ”

こころやさしい村長はそう言いました。



そうかもしれない。きっと、ひとみが赤い“だけ”だ。

むらのひとびとは村長の言葉を信じました。




しかし、それも長くは続きませんでした。