私と杏耶くんの中学時代の繋がりは、保健室だった。
喧嘩早く、すぐにあちこち怪我をする杏耶くんを半ば無理やり保健委員の私が手当をするようになったのが始まり。
それから不思議と懐かれ、勉強を教えたりもするようになった。
徐々に喧嘩することも減っていったのに、未だ自分が傷つくことに抵抗がないらしい。
それどころか怪我を私が心配するか試して、安心材料にしている節もある。
どうしたらわかってもらえるのか。
私はため息をつき、杏耶くんを見つめた。
「杏耶くん」
「なんですか」
「私の保健委員のシフトは月、水、木曜日の昼休みです」
「知ってます」
…なんで知っているのかは考えないでおこう。
「とにかく。そこの時間帯は構えませんが、それ以外なら、用がなくてもおしゃべり相手くらいにはなれますよ。もちろん、怪我をしなくても」
だからもう、自分を傷つけることはしないでね。
杏耶くんは一瞬ぽかんとして、意味を理解したのか、顔を綻ばせて頷いた。

