――怖い。
帰り道。
ずっと、考えている。
昼のこと。
神崎くんのこと。
先輩の言葉。
「……最低」
ぽつりと呟く。
あの光景。
思い出すだけで、胸がざわつく。
なのに。
「……なんで」
あのときの言葉も、思い出す。
――何もしねえ。
――大切にしたい。
「……わかんない」
どっちが本当なのか。
いや。
どっちも、本当なのかもしれない。
それが、余計に怖い。
次の日。
教室に入る。
視線が、また集まる。
でも。
昨日とは、違う。
ざわつきの中に。
別の空気が混ざっている。
「神崎くん、最近さ」
「女の子と話してなくない?」
「ほんとだ」
「全部切ったって噂」
「……え」
思わず、顔を上げる。
教室の後ろ。
神崎くんがいる。
でも。
誰とも話していない。
ひとりで、座っている。
昨日までとは、違う。
「……」
目が合う。
すぐに、逸らす。
見てはいけない気がした。
関わってはいけない気がした。
だって。
あの人は。
そういう人だから。
でも。
その日、一日。
ずっと、視線を感じた。
見られている。
まっすぐに。
でも。
何も、してこない。
近づいてもこない。
触れてもこない。
――それが。
少しだけ。
寂しいと、思ってしまった。
「……っ」
違う。
そんなはずない。
軽蔑してる。
嫌い。
関わりたくない。
なのに。
どうして。
こんなに。
気になるのか。
わからなかった。
ただ。
距離は、確実に。
近づいているのに。
触れられないまま。
そのまま、時間だけが過ぎていく。
そんな関係が。
始まっていた。
帰り道。
ずっと、考えている。
昼のこと。
神崎くんのこと。
先輩の言葉。
「……最低」
ぽつりと呟く。
あの光景。
思い出すだけで、胸がざわつく。
なのに。
「……なんで」
あのときの言葉も、思い出す。
――何もしねえ。
――大切にしたい。
「……わかんない」
どっちが本当なのか。
いや。
どっちも、本当なのかもしれない。
それが、余計に怖い。
次の日。
教室に入る。
視線が、また集まる。
でも。
昨日とは、違う。
ざわつきの中に。
別の空気が混ざっている。
「神崎くん、最近さ」
「女の子と話してなくない?」
「ほんとだ」
「全部切ったって噂」
「……え」
思わず、顔を上げる。
教室の後ろ。
神崎くんがいる。
でも。
誰とも話していない。
ひとりで、座っている。
昨日までとは、違う。
「……」
目が合う。
すぐに、逸らす。
見てはいけない気がした。
関わってはいけない気がした。
だって。
あの人は。
そういう人だから。
でも。
その日、一日。
ずっと、視線を感じた。
見られている。
まっすぐに。
でも。
何も、してこない。
近づいてもこない。
触れてもこない。
――それが。
少しだけ。
寂しいと、思ってしまった。
「……っ」
違う。
そんなはずない。
軽蔑してる。
嫌い。
関わりたくない。
なのに。
どうして。
こんなに。
気になるのか。
わからなかった。
ただ。
距離は、確実に。
近づいているのに。
触れられないまま。
そのまま、時間だけが過ぎていく。
そんな関係が。
始まっていた。



