――やっぱり、無理。
教室にいるのが、苦しい。
視線も。
噂も。
神崎くんも。
全部、近すぎて。
「……帰ろ」
授業が終わる前に、そっと席を立つ。
廊下に出る。
少しだけ、息が楽になる。
でも。
「シロ」
呼ばれる。
足が止まる。
「……なんで逃げる」
振り向くと。
神崎くん。
「逃げてません」
「逃げてる」
一歩、近づかれる。
「話せ」
「……嫌です」
はっきり言う。
「なんで」
「……」
言えない。
言ったら。
全部、壊れそうで。
「……怖いからです」
でも、口が動く。
「何が」
「……全部」
視線を逸らす。
「神崎くんも」
「……」
「優しいこと言うのに」
「違うところもあって」
「どっちが本当かわからなくて」
苦しい。
「……信じられない」
その言葉に。
空気が、止まる。
「……ああ」
静かな声。
「そりゃそうだな」
否定しない。
「俺が悪い」
はっきり言う。
「でもさ」
一歩、近づく。
「逃げんな」
「……っ」
「ちゃんと見ろ」
まっすぐな目。
「今の俺」
その言葉に。
顔を上げる。
「変わろうとしてる」
「……」
「お前のせいで」
心臓が、強く鳴る。
「……迷惑です」
思わず、言ってしまう。
「私のせいにしないでください」
「……っ」
「勝手に変わってるだけじゃないですか」
言いすぎた。
でも。
止まらない。
「……そうだな」
低く、答える。
「勝手だよ」
「でも」
一瞬、間があって。
「それでもいいって思ってる」
真っ直ぐな声。
「お前がいいから」
「……っ」
言葉が、出ない。
「だから」
「ちゃんと見ろよ」
「逃げんな」
その言葉が。
胸に刺さる。
――逃げたくない。
そう思ってしまった。
教室にいるのが、苦しい。
視線も。
噂も。
神崎くんも。
全部、近すぎて。
「……帰ろ」
授業が終わる前に、そっと席を立つ。
廊下に出る。
少しだけ、息が楽になる。
でも。
「シロ」
呼ばれる。
足が止まる。
「……なんで逃げる」
振り向くと。
神崎くん。
「逃げてません」
「逃げてる」
一歩、近づかれる。
「話せ」
「……嫌です」
はっきり言う。
「なんで」
「……」
言えない。
言ったら。
全部、壊れそうで。
「……怖いからです」
でも、口が動く。
「何が」
「……全部」
視線を逸らす。
「神崎くんも」
「……」
「優しいこと言うのに」
「違うところもあって」
「どっちが本当かわからなくて」
苦しい。
「……信じられない」
その言葉に。
空気が、止まる。
「……ああ」
静かな声。
「そりゃそうだな」
否定しない。
「俺が悪い」
はっきり言う。
「でもさ」
一歩、近づく。
「逃げんな」
「……っ」
「ちゃんと見ろ」
まっすぐな目。
「今の俺」
その言葉に。
顔を上げる。
「変わろうとしてる」
「……」
「お前のせいで」
心臓が、強く鳴る。
「……迷惑です」
思わず、言ってしまう。
「私のせいにしないでください」
「……っ」
「勝手に変わってるだけじゃないですか」
言いすぎた。
でも。
止まらない。
「……そうだな」
低く、答える。
「勝手だよ」
「でも」
一瞬、間があって。
「それでもいいって思ってる」
真っ直ぐな声。
「お前がいいから」
「……っ」
言葉が、出ない。
「だから」
「ちゃんと見ろよ」
「逃げんな」
その言葉が。
胸に刺さる。
――逃げたくない。
そう思ってしまった。



