「シロ」
放課後。
帰ろうとしたとき。
声をかけられる。
振り向くと。
美玲さんだった。
「ちょっといい?」
いつもの明るさじゃない。
少しだけ、真剣な顔。
「……はい」
「聞きたいことある」
「……」
「なんで、顔隠してたの?」
心臓が、止まる。
その質問。
一番、触れられたくない。
「……別に」
「別にじゃないでしょ」
逃げられない。
「理由ある顔してる」
「……」
言いたくない。
思い出したくない。
でも。
「……前に」
口が、勝手に動く。
「言われたことがあって」
「何て?」
「……気持ち悪いって」
空気が、止まる。
「笑わないし、目が怖いって」
「……」
「それから、見せないようにしました」
静かに言う。
「そしたら、何も言われなくなったので」
それでいいと思った。
楽だった。
「……バカだね」
ぽつりと、美玲さんが言う。
「え……」
「そんなの、そいつらの見る目がないだけ」
きっぱりと。
「隠す理由にならない」
「……」
「むしろ」
少しだけ、笑う。
「今の方がよっぽどもったいない」
その言葉に。
胸が、揺れる。
「神崎もさ」
「……」
「珍しいよ」
「え」
「あんな顔するの」
意味が、わからない。
「本気になりかけてる」
「……っ」
「だから」
少しだけ、優しくなる。
「ちゃんと向き合いな」
「逃げないで」
その言葉が。
まっすぐ、刺さる。
怖い。
でも。
――逃げたくない。
そう思ってしまった自分に。
一番、驚いていた。
放課後。
帰ろうとしたとき。
声をかけられる。
振り向くと。
美玲さんだった。
「ちょっといい?」
いつもの明るさじゃない。
少しだけ、真剣な顔。
「……はい」
「聞きたいことある」
「……」
「なんで、顔隠してたの?」
心臓が、止まる。
その質問。
一番、触れられたくない。
「……別に」
「別にじゃないでしょ」
逃げられない。
「理由ある顔してる」
「……」
言いたくない。
思い出したくない。
でも。
「……前に」
口が、勝手に動く。
「言われたことがあって」
「何て?」
「……気持ち悪いって」
空気が、止まる。
「笑わないし、目が怖いって」
「……」
「それから、見せないようにしました」
静かに言う。
「そしたら、何も言われなくなったので」
それでいいと思った。
楽だった。
「……バカだね」
ぽつりと、美玲さんが言う。
「え……」
「そんなの、そいつらの見る目がないだけ」
きっぱりと。
「隠す理由にならない」
「……」
「むしろ」
少しだけ、笑う。
「今の方がよっぽどもったいない」
その言葉に。
胸が、揺れる。
「神崎もさ」
「……」
「珍しいよ」
「え」
「あんな顔するの」
意味が、わからない。
「本気になりかけてる」
「……っ」
「だから」
少しだけ、優しくなる。
「ちゃんと向き合いな」
「逃げないで」
その言葉が。
まっすぐ、刺さる。
怖い。
でも。
――逃げたくない。
そう思ってしまった自分に。
一番、驚いていた。



