それでも、諦めなかった。

「ねー!春ちゃん!」
名前を呼ばれ振り向くと美月ちゃんが立っていた。
その横には梨華先輩と萌絵先輩。
「道具の片付け任せるねぇ」
梨華先輩がニタニタ笑いながら言う。
「あ…うん、わかった」
私はできる限り自然に笑うようにした。

いつから、いじめが始まったっけ。
そう、美月ちゃんに怪我を負わされた時から。
しかも、総合体育大会の前々日。
病院に行くと縫う手前だった。重くて鋭い、幅跳びで使う道具を足の上に落とされたのがキッカケだった。
それは、中学1年の8月。
今は12月になった。いじめがはじまって4カ月目。
部内、総勢36人。その、4人。まだ、大丈夫。
ただ、仲良くしてくれる男子たちは見て見ぬ振り。
確かに、いじめは辛い。
休憩の時間がもらえないのも、悪口言われるのも、暴言吐かれるのもなれた。なれたんだ。

「大丈夫ー?手伝うよ、春」
「あー!!光!いいの?手伝ってくれる?」
光は幼稚園から一緒でめっちゃめちゃ仲がいい。
「別にいいよ〜手が空いてるから」
「ありがと〜」
いつも一緒にいて分かりあえる関係。
「じゃっ、俺も俺も」
「急にどつかないで〜林」
林は中学から一緒になった。同じ幅跳びの競技だから仲良しだ。
「おまっ、走んなよ」
「恵美も来てくれたんだ」くすっと笑う。
「林が春と光のところに行こうって言うからよぉ」
林と恵美は小学校が一緒で仲がいい。
「ま、来てくれてありがとっ」

そうやって、仲の良い4人グループができた。