初恋が終わらないのは、菖蒲くんのせい

神谷さんと白石さんの得意なことを机の上に出していたルーズリーフにささっとメモをした朝倉くんが、うんうんと頷く。



「じゃあ神谷がアートディレクターで、白石がグラフィックデザイナーってことで。俺も案出し頑張るけど、性格的にもみんなをまとめる役の方が適してると自分で思うんだがどうだ?」


「いいよー。朝倉は最初からリーダーシップ発揮してるし、リーダーってことで」



神谷さんの言葉に白石さんも頷いていて、私も慌てて頷く。



「あとは肝心なキャッチコピーを作ってくれるコピーライター役もほしいところだけど、初瀬か菖蒲で得意だったりしないか?」



相変わらず微動だにしない菖蒲くんに一応視線を向けてから、おずおずと片手を上げる。



「得意って言えるほどじゃないんですけど、キャッチコピーを作ることだったら、好きなので…」



デザインよりもキャッチコピーを考えるコピーライターの方がやりたいと思ってこの会社に就職したため、私にとってはありがたい話だ。


実績があるわけでもないし、神谷さんや白石さんのように得意と言えるほど自分の力に自信を持っているわけでもないけど、少しはみんなの役に立てるのではないだろうか。