初恋が終わらないのは、菖蒲くんのせい

「でも、たくさん考えてるのにもったいないでしょ。これとか、誰も思いついていないようなアイデアで面白そうなのに」



菖蒲くんが指を指してきたのは、二重丸で囲んだ“初恋=実らない恋”だった。


初恋といえば、ピュアで可愛くてキュンキュンするような、そんな甘酸っぱくてときめきのあるイメージが強い。


しかし、初恋は実らないという言葉があるように、大体の初恋は叶わずに終わる恋ばかりだと私は思っている。そんな気持ちまで全て、菖蒲くんに見透かされたような気持ちだった。



「まとまっていなくたって、思うことがあるなら話しなよ。話そうとしないと、何も伝わらないし変わらないでしょ。少なくとも俺は、初瀬さんの文章を考える力には尊敬するよ。こんなにいい単語がたくさん思いつくんだから、焦らなくたってちゃんとキャッチコピーも形になるでしょ」



ハッと弾かれたように顔を上げる。


私だけが役に立てていなくて落ち込んでいたことに、気づいてくれていたんだ…。


だから、励まそうとしてくれている…?



「…ありがとう」


「うん。まあ俺も人と話すのとか面倒くさいって思うタイプだから、話したくない気持ちもわからなくはないんだけどね」