初恋が終わらないのは、菖蒲くんのせい

菖蒲くんは滑らかな手つきで自分の首筋に触れると、軽く首を傾げた。

その拍子に前髪が揺れて、初めて菖蒲くんの瞳と目が合う。


「あー」


菖蒲くんは首筋に触れていた手とは反対の手で前髪をかきあげた。

突然現れた整った顔立ちに少し驚きながらも、不敵に笑った菖蒲くんの笑顔から目が離せなかった。


「これ、気づいちゃった?」


その言葉で、それがなんなのかわかってしまい、自分の頬がかっと赤くなるのを感じた。


隅っこにいる大人しくて私と同じような人だと、第一印象からそう思っていた。

だけど、首筋についたキスマークを指しながら不敵に笑う目の前の彼は、とても私が知る彼ではないようなそんな気がした。