光王子と月夜のシンデレラ

「文化祭のカフェのテーマなんですけど……」

翌日、早速クラスの話し合いで、昨日のことを提案しようと思った時。

「あーそれなんだけど、ゲームキャラのカフェにするのはどう?」
「え……」
「いいじゃん!ゲームの世界に入った気分になれそうで」

クラスメイトの佐藤くんが提案してくれた意見に、みんなから賛同が集まっている。
えっと……ゲームのキャラ……?

「ちょうどAIで検索したら店内イメージとか装飾の作り方とかも出てきてさーこんな感じ」
「おおー!」
「AI使えば準備も簡単にできそうなんだよ、プリントするだけだし!」

そのサイトをプリントした紙を見せてくれた。
確かにすごい素敵だし、考えてきてくれたことは何より嬉しいけれど……

「……思うことがあるなら、早めに言った方がいい」
「あ、ありがとう」
「多分、俺も同じこと考えてるから。大丈夫」

一緒に前に立っている今宮くんが小声でつぶやく。
また背中を押してもらった。

盛り上がっている中で、ものすごく気が引けるけれど……実行委員としてしっかりしなきゃ。
思い切って、声を上げる。

「す、すみません……!」
「委員長、どう?俺の意見よくね?」
「はい、すごく素敵です。けれど……すみません、著作権に引っかかってしまいます」
「えー、自分たちでやる文化祭だしよくね?」
「あ……えーっと……」

そう言われてしまうと、言葉に詰まってしまう。

「売り上げも発生するし、少し難しいかもね」

すかさず、今宮くんがフォローを入れてくれる。

「えーでもこれすごいかっこいいのに」
「はい、すごいかっこいいです。AIに頼ると、色々と簡単にできて素晴らしいと思います。けれど……」

どうしよう、足が震えて来た……
気づいたのか、今宮くんが私の腰に手を当て、ポンポンとしてくれている。
……よしっ!

「著作権のこともありますし、せっかくの文化祭。みんなで……みんなの特技も生かして、アナログなこともあるかもしれないけれど、一から作り上げていきたいです」
「あっ!もちろん、使えるところはAIの力もお借りして……うまく融合させて、みんなで作る過程も大切に、思い出にしていきたいです」

シーンと静まる教室。
……やっちゃった、のかもしれない。変に熱く語ってしまったのかもしれない。
でももう、後戻りできない。

「でもさー俺の特技なんて恐竜に詳しい、なんだぜ。何も生かせないよ」
「恐竜!?」
「お、おう」
「いいじゃないですか!」
「は?」

「あの、空想世界のカフェってどうでしょう?」