これは果たして恋なのか。

 僕の名字が木内になってから、早くも一年が経った。

 ぼくと雛菊は小学四年生になって、かなりお互いと打ち解けた。
 「蒼!お庭に行こう」
 「うん!」

僕らが出会ったあの庭は、今では定番の遊び場となっている。
 なんせ広いので、かくれんぼや鬼ごっこ、かけっこやだるまさんがころんだなど、なんでもできる。

 でも今日は、ちょっといつもと違うことをしたかった。

「雛菊!花壇のところに行こうよ。ぼくが花冠作ってあげる!」
 雛菊の顔が輝いた。
「え!ほんと?いつの間に作れるようになったの?」

 雛菊にあげるために、お母さんに作り方を教えてもらったのだ。
 僕は得意げに胸を反らして、雛菊の手を引いた。

「ほら、来て!」

花壇から花を拝借する許可は事前にお父さんにもらっている。

どの色にしようかな…。
 黙々と冠を作り上げていく僕の手を、雛菊は興味深そうに見つめている。

「蒼は器用だねえ。ひながやったらぐちゃぐちゃになりそう」
「雛菊も練習すればできるよ!でも今日は僕に作らして」

「もちろん!」

雛菊は嬉しそうに笑った。