『そうか、クラスメイト……初めまして、僕は航生の兄で理仁です。航生にも仲のいい友達がいてよかったよ。いつも弟がお世話になっています。』
『い、いえ、こちらこそ。永井紗月です』
上品な所作で話しかけられ、慌てて頭を下げていると隣から声が聞こえてきた。
『兄さん、母さんはさっきまで俺たちと話していたので、疲れているかもしれません』
『そうか、だったら顔だけ見たらすぐ帰るよ――ああ、航生、僕がここに来たことは……』
『はい、誰にも言いません』
(え、お兄さんなのに、お母さんのお見舞いにきたのを知られたくないの?)
小声のやりとりが紗月にも聞こえてきて、違和感を覚えていると、理仁は『じゃあ、また』と言って歩き去った。
『永井、ちょっと付き合ってもらってもいいか』
理仁の姿が見えなくなると、航生はそう言って紗月を外に連れ出した。
『はい、これ』
『ありがとう』
航生と共にやってきたのは病院からほど近い公園。
公園の木々の葉は紅葉の時期を過ぎ、だいぶ散ってしまっていた。
自販機で買ってくれたココアを受け取り、紗月は彼と並んで人気のないベンチに座る。
『い、いえ、こちらこそ。永井紗月です』
上品な所作で話しかけられ、慌てて頭を下げていると隣から声が聞こえてきた。
『兄さん、母さんはさっきまで俺たちと話していたので、疲れているかもしれません』
『そうか、だったら顔だけ見たらすぐ帰るよ――ああ、航生、僕がここに来たことは……』
『はい、誰にも言いません』
(え、お兄さんなのに、お母さんのお見舞いにきたのを知られたくないの?)
小声のやりとりが紗月にも聞こえてきて、違和感を覚えていると、理仁は『じゃあ、また』と言って歩き去った。
『永井、ちょっと付き合ってもらってもいいか』
理仁の姿が見えなくなると、航生はそう言って紗月を外に連れ出した。
『はい、これ』
『ありがとう』
航生と共にやってきたのは病院からほど近い公園。
公園の木々の葉は紅葉の時期を過ぎ、だいぶ散ってしまっていた。
自販機で買ってくれたココアを受け取り、紗月は彼と並んで人気のないベンチに座る。



