先輩の卒業♡

写真を撮り終え、ちょうど一人になった山下先輩を追いかける。

後ろ姿でもわかる。

姿勢が良くて、ふわっとセットされた髪の毛。

大好きだ。
でも、もうおしまいなんだ。
もう会えない。
そう思うと今にも泣きそうになる。

持っていたい気もするけど、
ボタン返そう。

「先輩」
そう呼ぶと、先輩は振り返る。

私と目が合うと微笑んでくれた。


「やっぱ、ボタン返します」
後輩の欲しがってた子に申し訳ない。

渡そうとして、先輩の長い指の隙間から、ボタンが転がり落ちてしまった。

金色のちょっとくすんだボタン。

ほんとに渡したい…渡すべき人に渡して欲しい。

「……」

「すみません」
私は言った。

ちゃんと渡せなかった。
大事なのに。

「失恋かぁ」
先輩は地面からボタンを拾い上げ、座ったまま、ボソッとつぶやいた。

先輩は好きな人とうまくいかなかったのかも。