敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「おい、俺はまだ生きてる。殺すなよ」

「それより佐山が狙われていなくてよかった。お前にも警備をつけるよう頼むからな」

「外に出してもらえませんでしたから私は大丈夫です」

 ぷんと膨れたら、彼は笑っていた。

「いや、お前も注意するに越したことはない」

 雪が黙っていると、高原は雪に言い聞かせるように話し出した。

「佐山」

「はい」

「もうすぐチームリーダーだぞ。今のチームをお前に丸ごと渡すつもりだ」

「な、急になんですか?どういうことです?どうして今のチームを?チーフはどうするんです」

「まあ、俺は気楽にひとりでやるよ。チームは卒業だな」

「だめです!」

 雪は嫌な予感がした。事件のことで引責辞任するつもりかもしれないと思ったのだ。

 雪は耐えられなかった。気づくと涙があふれ落ちた。

「おいおい、もしかして嬉し泣きか?念願の独り立ちだからな」

「チーフのバカ、そんなわけ、ううう……もしかして事件の責任をとるとかじゃないですよね?」

 鼻を啜っている私を見てベッドにあるティッシュペーパーをくれた。