敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 受付を訪ねると、すでに病室へ入ったと言われた。

 病室へ入らないといけないほどの怪我なのだろうか。

 指定された部屋は個室だった。骨折で個室?雪は嫌な予感がした。

 急いでノックをしようとしたら、中から男性の声がしたので手を止めた。

「それで、誰かに突き飛ばされたとおしゃるんですか?」

「間違いないと思います。横断歩道は赤信号だったのに、すごい力で後ろから押されたんです」

「それで?」

「黒い車が突然左折してきて、ぶつかったんです。それでも避けて、転んだんでこの程度ですみました」

「その車はどんな車かわかります?」

「車種も、ナンバーも覚えました。これです」

「それはご立派です。後ろから押された人に心当たりは?」

「実は、脅迫文が来てまして、まあ詳しくは会社へ聞いていただけますか?」

 脅迫文って何?!雪はびっくりして、ドアにぶつかってしまった。

「……誰だ?」

 チーフの声がした。隠れても無駄だろうと腹を括り、息を吸ってからドアを開けて声をかけた。

「すみません……」

「お知り合いですか?」

 警察の人だった。事故じゃなっくて、事件だったんだ。