敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「……え?当たりですか?佐山さんの外出禁止と関係が?」

「私、相変わらず馬鹿だわ。これで担当とか本当に恥ずかしい。やっぱり何かあったのね……」

 要するに、氷室副社長も何か気づいていて、雪に話さなかったのだ。

 カマをかけて、こいつは知らないと踏んだからだ。それで口止めした。

 私はチーフと副社長二人の手のひらの上で踊っていた。情けない。

 でも、チーフが担当の私に話さなかったのには絶対訳がある。

 必要なことは必ず話す人だと知っているからだ。

「どういうことです?」

「チーフは氷室副社長を試したのね。予想通りあちらは期待に応えた」

 海江田は眼鏡をあげて驚いた。

「へー。氷室副社長ってすごいんですね」

「そうね。チーフは最初から私を蚊帳の外に置く気だった。副社長もその意図に気づいて私に何も言わなかった」

「なるほど……」

「インタビュー記事では彼の生い立ちや今までに話が集約されている。今後のプロジェクトについてわざと触れてない」

「チーフは佐山さんを守りたいんですよ」

「冗談じゃない、私が担当なのよ」