敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「だから、今度は海江田を育てる」

「私もまだ育ちたいです!」

 右手を挙げて立ち上がる。海江田君が笑い出した。

「プっ!あはは……佐山さん笑わせないで……」

「お前はもういいから、この資料をまとめておいてくれ」

「……どうしてですか……」

「この資料をまとめると育つぞ」

 嘘に決まってる。市場調査だ。

「……」

「佐山頑張れ。海江田行くぞ」

「はいっ!佐山さん行ってきます」

「……行ってらっしゃい」

「海江田さーん、私今日早めに上がります」

 成美が手を挙げた。

「終わらなかったら上がるな」

 海江田は捨て台詞を吐いて、チーフを追いかけて行った。

「えー!ひどい……ブラックだ」

「成美ちゃん、手伝うよ」

「雪先輩……」

「今日は合コンだっけ?」

 成美はいつも以上に可愛い格好だった。

「違います」

「え?」

「野村さんと萩原さんと、私と真綾で飲みに行くんです」

 そう言えば、そんなことを言っていた。

 うちの男同期二人と成美の親友で同期の真綾。要は合コンだ。

「合コンと同じじゃない」

「だから違うもん」