敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「……同じことを氷室副社長にも言われました。ひどい……」

 高原は雪に近寄り、肩に手をやろうとした。しかし、雪は手を払った。

「私が女だからですか?それとも力がないから?信用できないの?」

「そうじゃない、落ち着け……今はまだ言えないが、少し探りたいことがあって、氷室に託した」

 座れと高原は雪に椅子を勧めた。雪は言われるままに座った。

「探りたいっていうのは?」

「それも、氷室次第。あの表を見て何も気づかなければそのままにするつもりだった」

「副社長は気づいたんですね?」

「そうだろうな」

「そうか、だからこちらで調べてから連絡するって言ったんだわ」

「そう言ってたのか?」

「はい。直接チーフに連絡したいとおっしゃったので連絡先をお伝えしました」

「そうか。1を見て10を知る。あいつは昔からそういうタイプ。正解だったな」

「何をですか?ずっと会ってなかったそうですね?驚きましたよ」

「少し話すと気持ちが通じる相手というのがいるだろう。まさしくあいつはそうだった」

「友達になりたかったと言ってましたよ」