敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「君は見なかったことにしなさいとすぐに怖い顔で言われました」

「そうか。さすが氷室。すぐに気づいたな」

「チーフ、あの表には何が隠されてるんですか?」

「あの表の存在は今まで社外秘だったので部長と俺、役員しかしらない」

「それでなぜ、今回は……」

「社長の了承をもらっている。お台場のイニシアチブは氷室にあると思っているからだ」

「それだけですか?数字上、隠したいことがあるんですよね?」

 それだけとは思えなかった。あの様子は何かある。隠したいことがあるに違いない。

「……佐山」

「はい」

「入ってくるな」

 久しぶりににらまれた。知る必要のないことは入るなと昔から言われてきた。

 好奇心があっても、全て教えるわけではないと釘を刺されてきた。

 だからこそ、チーフに聞くことは考えている。だが、今回は別だ。

「氷室商事の担当は私になりました。部長は知っていて、私だけ知らないのはおかしいです」

「前期までの話だ。お前は関係ない」

「チーフ!」

「それと、お台場の件は俺一人でやる。お前は関わるな」

 雪の目が潤んだ。悔しい。