敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「先ほどはお疲れ様。食事の件、日にちを出しておいた。今の俺は昔のお前以上にドタキャンする可能性がある」

「追伸 雪ともう一度会えて本当にうれしかった。口にするのが恥ずかしいからここに書いておく」

 あの頃、デートの約束をドタキャンしまくって、最後は記念日だった。

 遅れて行ったが謝るのに疲れて、帰り際に別れを切りだした。

 あなたが好きだけど、今の私は仕事をキャンセルできない。

 恋人失格だと思うので、友人に戻ってもいいですかと聞いたんだ。

 真司は私をじいっと見て、雪がそうしたいのならそうしようと言った。

 それから連絡をすることはなかった。

 友達とは何か違う、お互いをあまりわかっていない関係だったと気づいたからだった。

 恋は盲目。霧が晴れて見えたこともあった。

 後ろに影が立った。

「佐山」

「チーフ……」

「少しいいか?」

「はい」

 打ち合わせ室へ入ると、いつもの席に座る。

「インタビュー、うまくいったようだな。新副社長はあの辺りも返事をくれたか?」

「それより、チーフ。あの表、何かあるんですね?」

「聞かれたのか?」