敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「私は御社の担当記者です。知ったらダメなんておかしいです」

「そうだね。だから言ってるだろう。見たけど見てないことにしなさいとね」

「副社長……」

「高原君と僕でよく話し合うから、あとで話を聞くといい。ただし、君は関わるな。いいね」

 ものすごい迫力だ。真司を見ると、言うことを聞けと目で訴えていた。

「わかりました。副社長のご指示に従います」

「ありがとう。僕を信頼してくれてるんだね」

「はい。副社長が信頼に足る方だろうと思いましたので、アドバイスに従います」

「そうしてほしい。君のためだ。それと、高原君に伝えてほしい」

「なんでしょうか」

「この資料についてこちらで確認を終えたら連絡すると言っておいて」

「はい」

 先ほどまでの冷たい雰囲気から一変、彼はあの太陽の笑顔に変わった。

「もうオフレコだから」

「はい、なんでしょうか?」

「君の受け答えも立派だった。記事が楽しみだ」

「ありがとうございます。ご期待を裏切らぬよう頑張ります」

「あのさ、それで高原は元気?」

 急に高原と呼び捨てにした。どういうこと?

「連絡を取ってないんですか?」