敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「そう。礼を言っておいてほしい。何よりの祝いだったとね」

「え?」

「お台場のプロジェクトは国の案件だ。晴海商事との案件は商社の将来を左右する」

「高原もそう言ってました」

「そうだろうね……正直、本当に助かったよ」

「何がですか?」

「それは高原君に伝える。お台場のプロジェクトに君はかかわらないことだ」

「え?」

「プロジェクトの担当は彼なんだろう?」

「そうですが、あの……」

「いいかい?僕がこの表を見たことを決して誰にも言わないように」

 すごい目で言う。これはどういうこと?

「君はこの表の存在を知らない。いいね?」

「どういう意味でしょうか?知らないわけが……」

「知らない。僕も見せていない。高原が直接僕に送ってきた理由はそこにあるんだよ」

「副社長……」

「彼は君に説明しなかった。このことを話してくるように言われていないだろう?」

「自分からは言うなと言われました。聞かれたら就任祝いとだけお伝えするようにと指示されました」

「うん。つまりそういうことだ。君は知ったらダメなんだよ」