敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 役員室のエレベーターを降りると、目の前にはあの時より精悍になった彼が立っていた。

 大きな目と整った顔は変わらないが、落ち着いた風格が感じられて驚いた。

「真司……」

「久しぶりだな、雪。思いがけない再会になった」

「取材先を見れば、相手が間違いなく私だってわかっていたでしょ。無視したくせに……」

「それはこっちのセリフだな。友人に戻りたいと言ったのは誰だ?その割に全く連絡を寄越さなくなった」

「ごめん……」

「そんな顔するなよ。雪、綺麗になったな。見違えたよ」

「あなたこそ、立派になったわね」

「お互いで褒めてたらしょうがないな。時間がないから行こうか、準備はいいですか、佐山さん」

「はい。よろしくお願いします、福原さん」

 私達はあの頃の様に目くばせをして一緒に歩いて行った。

「専務、お約束のEFR佐山さんがお見えです」

「お通しして」

「失礼します」

 そこには太陽のような笑顔のイケメンが座って待っていた。

「初めまして、佐山と申します。どうぞこれからよろしくお願いいたします」

「こちらこそよろしくね。どうぞかけて下さい」