敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 そして、そういう時に限ってなぜか皆プライベートで予定が入っていたりするものらしい。

 恋人や家族との大事な日の約束が破られる。

 しかも一度ならずも、何度もとなれば、末路は見えている。

 入社してすぐの頃、チーフのようなイケメンに彼女がいないなんて変ですと言ったら、鼻で笑われた。

 褒めたつもりだったのに冷たい対応だったので、少しむっとしたら、優しい瞳でこちらを見た。

 お前ももう少し経てばどういうことかわかると意味深に言われた。

 チーフの性格の問題だったのかと思っていたが、しばらくしたらそうじゃないとわかってきた。

 彼に限ったことではなかった。雪も同様の道をたどった。学生時代からの彼氏と別れたのだ。

 雪はその頃ようやく記事が認められたときで、まあ、とにかく仕事が楽しかった。

 彼のことは好きだったけど、仕事もおなじくらい好きになりはじめていた頃だった。

 さすがに仕事と同じくらい好きとか彼氏相手に言えなかった。

 雪は彼と別れて、正直楽になってしまった。

 そんな風に思うこと自体、もはや彼に対する気持ちが覚めていたともいえる。