敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「あの、提案なんですけど、指導してくれる夜は別々に寝ませんか?」

「どうして?」

「あなたに仕事で絞られたうえ、そのあと寝かせてもらえないのは困ります」

「は?」

「翌日にしわ寄せが来るのは困るんです。私これでもチーフですからね」

 胸を張る雪に、高原は薄ら笑いを浮かべた。嫌な予感がした。

「じゃあ、雪に指導しない夜は何をしてもいいんだな?」

「え?そ、そんなことは言ってませんよ」

「詰めが甘いな、雪」

 気づくと引き寄せられ、目の前に彼の顔があった。唇を彼が指でなぞった。

「こちらのほうも昇格できるまで、たっぷり指導しようか?」

「私、そんな昇格は結構ですっ!」

「残念。こちらのほうは仕事と違って、たっぷり褒めながら指導するつもりだったのにな」

 子羊は一生、狼に翻弄される運命なのかもしれない。
 

fin.