敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 いかに皆に気を遣わせていたかよくわかった。その日は謝ってばかりだった。

 小西リーダーはべろべろになって、野村が背負って帰って行ったのも今思えば懐かしい。

 そして、高原は今日もまた、昔の自分の部下を前に高らかに宣言した。

「悪いが、近いうちに佐山と結婚したい。彼女の仕事を調整するから協力してくれ」

「わあ……!」
「えー!」
 
「おめでとうございます!もしかしてチーフ、雪先輩これ?」
「違う!」
 
「ほんとかな……?」

 成美はお腹に手をやり、妊婦の真似をした。

 高原が違うと言うと、にやにや笑っている。

 最近の成美は高原に好戦的だ。

 泣きべそをかいていたあの日は何処へ行ったんだろう。

 佐貫本部長が入って来た。先に挨拶へ行ったのだ。

「また、お祝い会をしないといけないな」

 社長まで入って来た。

「今度は本部長のお金でぜひとも頼むよ」

「それはないですよ、社長……」

 雪はチームの皆に向かって頭を下げた。

「皆さん、しばらくの間は毎週水曜日をちゃんとノー残業デイにしますのでご協力ください」