敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 話のネタはもっぱら高原のことばかりだ。

 奈美の縁談は優秀なアドバイザーがついて、トントン拍子で決まりつつあった。

「今回の人となら、奈美ちゃんはきっとうまくいくと思うわ」

「この間のデートも雪姉様の言う通りにしたら、うまくいきました」

「そう。よかった」

 定時報告をして満足したのか、奈美は迎えの車であっという間に帰って行った。

 透は雪の腰をおもむろに引き寄せた。

「雪。人の縁談に世話を焼いている場合じゃない。そろそろこっちも始動しよう」

「え?」

「雪の身辺が落ち着いて最優秀賞を受賞したら、始動しようと思っていた」

「もしかして……」

「そうだ。そろそろ結婚に向けて準備をしよう」

「でも、チーフは今忙しいでしょう?そんな時間あるんですか?」

「そういうことを言っていると、お互いいつになっても結婚できない」

「そうですね。全くその通りです……」

 その後、二人そろって出社した。

 そういえば、雪が昇格して交際を始めた時も、高原がチームに交際を宣言した。

 あの時は『おめでとう会』なるものが、社長のお金で後日開かれた。