敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「ありがとう、奈美ちゃん」

「透君、こんにちは。この度はおめでとうございます」

「一体こんなところに何をしにきたんだ?」

「雪姉様のお祝いと私の定時報告です」

「定時報告?何だそれ?」

 彼は頭を抱えた。

「そういえば奈美……お前、縁談があったらしいな。どうなった?」

 小首をかしげた奈美は言った。

「縁談ですか?どれのことかしら。でも今回の人はよさそうだって雪姉様が言うから決めるつもりです」

「は?」

 高原は固まった。

 実は結婚の挨拶に彼と宗田家へ行ってから、奈美は雪にすっかり懐いてしまった。

 それで彼女のご両親に今後の彼女を気にかけてほしいと頼まれてしまったのだ。

 その日から、奈美は雪をお姉様と呼ぶようになってしまった。

 高原もその昔、奈美の両親から彼女の面倒をみるように頼まれたらしい。

 妹を教え導くような気持ちで接してきたと話していた。

 自分はお役御免になったかと思いきや、今度は雪にその役目が移動してがっくりしていた。

 しかし雪は奈美が可愛くて、それ以降、彼女の縁談の相談に積極的にのってあげていた。