敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 部下じゃない雪はいい意味で想像と違っていた。

 普段は我慢強くて、一生懸命な努力家。

 だが、プライベートでは甘えてくる。それが可愛くてならない。

 元カレはモテる部類の男だ。見ればわかる。

 そんな男が、雪が約束を何度反故にしても、あちらから別れなかった。

 あいつが彼女に固執した理由は明確だ。雪は彼氏だけに見せる顔がある。

 ベッドでのこの妖艶な可愛らしさを、俺以外が知っていることだけは許せない。

 よく知っていたはずなのに、こんなに夢中にさせられるとは思わなかった。

 そういえば昼間、彼女が言っていた言葉がどうしても忘れられない。

 スポンサーの件を雪が知っていたのは驚きだった。

 社長はスポンサー自体をきっぱりと断ってくれた。

 雪と結婚を約束していることを親には先に話しておくべきだと思った。

 まずはうちの両親へ先に連絡をしておこうと思い、携帯を手に取った。

 すると、タイミングよく母から着信がきた。部屋を出た。

「母さん、どうした?」

「透。奈美ちゃんの話聞いた?」

「いや、どうした?」

「佐山さんとはまだおつきあいしているの?」