敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「その後、苦労して開業したんだ」

「それであの病院ができたんですね」

「俺は父に憧れて医者になるつもりだった。でも、父を陥れようとした奴らが許せなくてね」

「なるほど、それで記者に……」

「その時、権力が大好きな大人は医者だけじゃない。どこにでもいると父に言われた」

「……」

「でも俺は悪い権力をふりかざす奴がのほほんと生きて、父みたいな人が損をするのはおかしいと言ったんだ」

「それで?」

「父はジャーナリストだった親友を紹介してくれた。それが社長だ。佐山のように大学時代からバイトで入った」

「そうだったんですね」

「数年後、約束通り父を陥れた奴らを記事にした。怪我もしたが、父は褒めてくれた。自慢の息子だってね」

「チーフ……」

「雪」

「はい」

「俺も大学の仕事にも就いた。君も昇格した。少し落ち着いたら、一度俺との将来を考えてみてくれないか?」

「え?」

「今すぐでなくてもいい。今年は特に忙しいからな。来年の君の誕生日を目途に準備を出来たらと思っている」

「……それって……私と結婚ってことですか?」