敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「どうしてそんなに怒ってるんですか?本当に嫉妬深いですね」

「嫉妬深くて悪かったな」

 雪は大教室の一番後ろの席に座った。

 高原はここでも生徒から鬼と言われているらしい。

「先月出した課題、送られてきたのを見たが、どれもダメだった」

「えー!」

「AIに聞いたような答えはいらん。個性、着眼点が大事だと話したはずだ。もう一度同じ課題にする」

「やっぱり鬼だ。最低……」

 女子生徒の声が聞こえた。

「最低で結構。これを乗り越えられない奴はうちの会社で見習いにもできない」

「乗り越えたら見習いで入れてくれるんですか?」

「そうだな、出来次第では見習いに推薦してやる」

「えー!すごい、やります!」

 皆、合格をもらえるとでも思っているんだろうか。

 まず無理だよと教えてあげたい。

「どうだった、雪?大学講師の俺は?」

「相変わらず厳しいですね。でもそれでいいのかもしれません」

「へえ?」

「今を乗り越えられなかったら、入社してからが大変です」

「さすが佐山。よくわかってるな」

「それより、可愛い女子大生が多くて腹立ちました。浮気しないでくださいね」