敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 先日、海江田と外出した際に、とうとうめまいに襲われた。

 三年前、高原の前で倒れて以来のことだった。

 仕事を気遣ってくれる人が側にいなくなり、歯止めが効かなくなって無理をしすぎたのだ。

 翌日は午前中だけ半休をもらった。午後は課長会議が入っていたのだ。

 雪は高原に黙っていてほしいと海江田に頼んだ。

 ところが、次の日の朝。高原が部屋に現れた。

「雪。大丈夫か?まだ顔色が悪いな……」

「え?ど、どうして……」

「海江田には雪のことを頼んでおいた。こうなる気がしていたからな」

「チーフ……」

 心配そうに雪の横に来ると、顔を撫でた。

「あの……」

「俺が同棲したいのを我慢しているのは、雪を休ませるためなんだぞ」

 それはわかっていた。夜もチーフの家に来るなと言っていた。

 行くと抱きたくなると赤裸々に言われたことがあった。

「この一年は慣れないこともあって大変になるのはわかっていた。心配していた通りだ」

「チーフ」

「雪は昔から自分のこととなると加減ができない。抱えすぎるなとあれほど言っただろう」