敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「あなたとはいつか別れると思うの。だって透君他の人と結婚しないから。私、待つって決めたし大丈夫」

 びっくりした。自信満々に言う。今までもそうやって待ち続けたのか。

 確かに結婚しなければ同じことの繰り返し。

 でも、私が決めることじゃない。

「よかったら、三人で会いますか?」

「嫌です」

「じゃあ、待ってるだけですか?言っておきますが、私、彼を手放す気はないですよ」

「え?」

「奈美さんはこんなにお綺麗なのに、待ってたらおばあちゃんになっちゃいますよ」

「え?」

「もったいないと思います。お父様も心配されてるんでしょう。はっきりさせましょう」

「少し……考えます」

「決まったら教えてください。それまでは彼に黙っていますね」

「ありがとう。あなた、いい人ですね」

「はぁ……」

 不毛な会話は終わりを告げた。ライバルというには可愛すぎる。

 小西さんがここにいたら大変だっただろうと思った。

 邪気のないお嬢様がニコニコしながら目の前にいた。

 * * *

 夜に食事をしながら、彼が話し出した。

「雪。貿易の記事、昨日目を通したがとてもよかった」