敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「ま、それはそうとして、確認はすべきだよ。この年で交際するんだから聞いてもいい」

「……そうですけど……」

「ま、よく考えな」

「はい」

「さあ、今日は飲むぞ」

「はい!」

 小西リーダーの恋愛話も聞きたかったのに、潰されて終わった。

 * * *

 チーフには内緒で彼女と会った。

 宗田奈美さんは、雪の周りにいない人種だった。

「ごめんなさい、突然お呼びだてして……私、宗田奈美と言います」

 もじもじと手を合わせながら、ちらちらこちらを見て話す。

 うぶというか、話し方も可愛らしくて、ちょっと憎めない感じなのだ。

 とにかくチーフのことを嬉しそうに話す。恋人とかそういう感じとはちょっと違う。

「透君は学生時代も悩みを聞いてくれたり、勉強も教えてくれたんです。いつも優しくて特別でした」

 話を聞いていると、純粋に幼い頃からチーフを慕い続けてきたんだろうと思った。

 チーフは兄が妹を導くかのように、色々教えてあげたんだろう。

「あの、三年前チーフのマンションにビーフシチューを届けに来られた方ですよね?」

 ビクンとして顔をあげた。