敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「あ、はい。よろしかったら、一度お目にかかりたくて……」

「わかりました。そうですね、お昼以降にお電話を差し上げても大丈夫ですか?」

「はい。お待ちしています」

 チーフに言うべきか悩んだが、その日は取材もあって、夜まで会う予定はなかった。

 メールで話すべきことでもないような気がしたし、用件をうかがってからの方がいいだろうと判断した。

 取材先を出て、宗田さんに連絡をした。後日会う約束をした。

 * * *

 小西さんにそのことを説明した。

 彼女は相当驚いたんだろう。呆気に取られていた。

「それで小西さん、この際、私が彼女だって言っていいですよね?」

「いや彼女だと知ってるから連絡してきたんだろう?」

「うーん。おそらくその情報は、本当におつきあいを始める前のフェイク情報ですね」

「は?フェイク?なんだそれ?」

 雪は病院でお母様に会って彼女のふりをさせられたことを話した。

「そんなことがあったんだ」

「その時はその場にお母さまがいて、実家で看病されたくなくて、言い逃れの嘘だったんです」