敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「そういう高原君が育てた部下の佐山さんも、それならそういう取材姿勢かな?」

「はい。私の取材で至らない点は指摘していただいて結構です」

「うん……」

「前任の高原とは違った視点で見ることもあると思います。辛口なのは師匠譲りと思ってください」

「是非今月号の氷室商事の記事をご一読下さい。佐山の記事です」

「ああ、あれって佐山さんの記事だったの?知らなかったよ」

「彼女は今回攻めに転じました。守るより攻めろ。それがお互いのためになるいい例です」

「ほう……」

「まぁ、そのうちわかります。僕は予言者ですからね。佐山を逃すといずれ後悔されると思いますよ」

「高原君がそこまで言うのは初めてだ。佐山さんにしばらくお願いしてみようかな」

「はい、ありがとうございます。ご期待にお応えできるよう精一杯努めます」

「うん、よろしくね」

「ところで、ごあいさつ代わりに、私からひとつだけ質問してもよろしいですか?」

「なんだろう?どうぞ……」

「御社の女性管理職の数ですが、ここ十年ちっとも増えていませんね」