敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「真司、私は新しい彼がストーカーにならないよう、気をつけないといけないみたい」

「雪!」

「そうだな。嫉妬させて俺を追い込むなよ。狼になってライバルを食い殺すぞ」

 真司を睨んでる。冗談に聞こえない。

 この間もそうだったけど、本当に嫉妬深くてびっくりした。

「食い殺せるかな?私には副社長がついている」

「君は僕を知らないようだ。彼によく僕のことを聞いてみるんだな」

「二人ともいい加減にしてください!」

 二人は立ち上がった雪の大声に、顔を見合わせ笑い出した。

 * * *

 高原は本格的に仕事を雪に引継ぎ始めた。

 自分の取材先へ連れて行き、いつも最近同じセリフを言う。

「私の直弟子ですので安心頂いて大丈夫です。今後も彼女が御社を記事でバックアップ致します」

「どうぞよろしくお願いいたします」

「ああ、こちらこそよろしく頼みます」

 わざわざ行かざるを得ない取材先は大きなところが多い。

 そして、そういうところは未だ女性記者を下に見ているところも多い。

「高原さんが担当外れるなら、経済ジャーナルの方に今後は頼もうかと思っているんだよ」

 ほら始まった。